Live Report

青春の影 2003

森のホール21 (2003/10/25)

三十路最初のコンサートは、ゆったりとした客席の松戸・森のホール21で行われました。
ステージセットは後ろ両側に立っている2本の白いスパイラル風の柱だけ。
(後々、このスパイラルが照明の当て方によって1色・2色ととても綺麗に変化します)
無駄のないシンプルな構成です。

開演時間を5分程過ぎて拍手の中メンバーの登場。
さぁ、コンサートのスタートです。


ここで恒例の「さっちゃんの財津和夫衣装チェック!!」です。
本日の財津さんは、ベージュのシャツに、黒のパンツ黒い靴という衣装でした。
M1:恋と愛の間
「I need you and YOU」からのセレクト。
財津さんのギターの弾き語り風に始まり、その後、キーボード→ギター→ドラム→ベースとだんだんと音が増えていくアレンジです。音が増えていくと同時に、スポットライトに浮かぶ財津さんだけ→清水さんにもライト→柳沢さんにもライト→上田さんにもライト→伊豆田さんにもライトと照明も切り替わります。
M2:白いシャツの君
「I must be crazy」からのセレクト。
もう、ソロの定番と言って良いこの曲。
清水さんのピンクの「ピアニカ」がなかなかいい味を出しています。
財津:はい、どうも皆さんこんばんは、今日はようこそいらっしゃいました。何かシーンとして大人って感じですね(笑)。この松江はですね・・・(ここで最前列から小声でツッコミが入ります。そのツッコミを受けて財津さん、マイクで自分の頭を叩くようなパフォーマンス)松戸はですね、そんな久しぶりの感じではありません。丁度一年前にもお邪魔したような気がするんですけれども・・・。時々財津一郎に間違えられるんですけれども、この前も間違えられました。嬉しそうに間違えて、違うってわかるとガッカリとするんですね(笑)。今日はお間違えのないようによろしくお願いしたいと思うんですけれども。今日は、青春時代を呼び戻すような、そんな気持ちで楽しく最後までおつきあいいただけたら良いと思っております。よろしくどうぞ、お願いいたします(拍手)。
M3:「もうひとつ」の愛
「『もうひとつ』の愛」からのセレクト。
ファンになって2年目のツアーで聞いたこの曲を、もう一度ステージで聞けるなんて・・・。
八千代でこの曲のイントロを聴いたときには鳥肌が立つほど感動しました。
M4:急行の停まる街
前曲と同じく「『もうひとつ』の愛」からのセレクト。
この曲もやってくれるんですか!と鳥肌のダブルプレイ(意味不明)。
夕日チックなオレンジの照明が綺麗です。
財津:私はかつて、TULIPというグループにおりまして。5人、男ばかりのバンドでございまして、1972年にTULIPはデビューしまして18年間続いたんですけれども、それからもう13年くらいですかね1人になってから。TULIPの時はですね、バンド活動ですから楽しいというかうるさいというか、一緒に居たくないというかですね・・・(笑)。たとえば旅行にたとえると団体旅行会社の慰安旅行みたいなもんですよね。対しましてこのソロ、これは一人旅感傷旅行と言っていいかもしれません。一人旅は誰も話す人がおりませんので、チラッと見かけた野良犬や野良猫に『お、おい、元気か』とか言いながら、野良猫も野良犬も居ないときはミミズとかアリとかに話しかけながら・・・要するに何が言いたいのかというと、一人旅というのは女々しいのです。自然と作っていく歌も女々しくなるわけです。今日はその、ソロの女々しい私の内面を、恥部(ちぶ)を紹介したいと思います。本の一部(いちぶ)ですが・・・(笑)。
M5:メルティング
90年代ソロナンバーが続きます。こちらは「Naked Heart」からのセレクト。
財津さんはギターを置き、マイクをスタンドから外してハンドマイク状態で歌います。
左手はマイクスタンドをつかみ、感情が入ると前後に動きます(笑)。
「ねぇ~」のファルセットが素敵です。
M6:ふたりなら
シングル「ふたりなら」からのセレクト。
この曲はもともと、山本耕二さん主演のミュージカル「ロミオとジュリエット」用に書き下ろされた楽曲なので、まさか財津バージョンがステージで聞けるとは!と思った方も多いハズ。
感情たっぷりに歌います。(折角だから、ミュージカル風に・・・無理ですよね)
財津:はい、ありがとうございます(拍手)。皆さん、こんなくだらない冗談ご存じですか?(ギターでド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドと音階を弾いて)これは普通(今度は、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド#と弾いて)これはどこかというクイズなんですけれども・・これは高井戸って言うんですけど(笑)。で、(ギターでド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ#・ド#と音階を弾いて)これはもうおわかりですよね、下高井戸(笑)。地名を知らないと何のことだかわからないんですけど・・・。で、(今度は、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ、一拍おいてドと弾いて)というのは・・・松戸でございます(拍手)。こんな冗談を用意しておきながら松江なんて間違えるんですから(笑)。さぁここからはですね、私事で恐縮なんですけれど自己紹介のコーナーになります。私は1948年昭和23年に生まれまして、今年55歳になりまして、松井の背番号と同じです。これが自慢の1つでございまして・・・(笑)。で、海の側で生まれましてね海風を良く吸いました、それで、海の男になりたくて夏になると赤銅色になりてくて、スポーツマンみたくなりたくてよく焼きました。するとね、悲しいかな焼けるのは良いんですけど、赤く水ぶくれになるわけですね。夏も冬も生白いんですよ。まぁ、そんなこんなでスポーツマンになれなかったんで、流しにでもなろうかと思ったわけですね(笑)。高校生の時に初めて曲を作って自分で歌いました。これ今では恥ずかしいんですけど、自己紹介コーナーということで歌わせて頂きたいとおもいます。ホントに恥ずかしいんですよ、曲もそうなんですけど、歌詞も甘ったるい歌詞で、まぁ高校2年生の時の歌詞ですから・・・、タイトルも「並木道」って言うんですけど。
M7:並木道(ワンコーラスのみ)
お正月の特番で歌ったこの曲、弾き語りで歌います。
この曲はCD化されておりませんので、聞きたい方は是非コンサート会場まで足を運んでください。
財津:ホントにスイマセン。自分で酔ったように歌ってしまいました(笑)。で、まぁなんだか曲を作って歌うということに味を覚えましてね。あれこれ作りました。東京へ行くためにですね・・・
おまけ:魔法の黄色い靴(コードを変えずに少しだけ)
財津:ずっとコードが変わらないんですね(笑)。だからヒットしなかったと・・・。あきますね、自分で歌っていても(笑)魔法の黄色い靴って曲なんですけれども(拍手)、業界受けはしたんですけど、松戸受けもしてるんですけど(笑)、ヒットしませんでした。それで、2曲目で勝負ってことになるんですけど・・・
おまけ:一人の部屋(少しだけ)
財津:まぁ、一人の部屋って曲なんですけれども、お聞きになってわかるように、私も歌っていてわかりましたが、ヒットするはずがないという(笑)。誰でも作れる歌詞でございます(笑)。で、3曲目勝負となるわけですけれども・・・じゃぁもう1曲だけ、3枚目だけだぞ、4枚目はないぞともう1回勝負でございますね。そのおかげで今日こうやって、ねぇ、あとで観客の皆さんと大きな声で歌ってもらいますけど。まぁ、そんなこんなで、NHKに「みんなのうた」という番組がありまして、そこにですね曲を出させて頂きまして。なぜかちょっとした有名な曲になってしまいまして、ラッキーでしたね、ホントに。私の歴史を振り返りますと、印税の歴史でございまして(笑)、印税というモノが世の中になければ私はきっと自殺していたと思います(笑)。で、そのNHKのみんなのうたの曲を、「切手のないおくりも」のという曲で、みなさんも一緒に歌って頂きたいなぁと・・・。さぁ、では切手のないおくりもの、さわりだけ歌ってみたいと思います。
M8:切手のないおくりもの(3番まで)
なかなかステージでは聞けないレア曲です。
観客も小声で歌います。
財津:ありがとうございました。ホントにちっちゃな声でご協力ありがとうございました(笑)。さぁ、続きましてはですね、グループTULIPやりつつ、その先ほどの言いました印税というのに目覚めましたので(笑)、これ5人で割るより一人の方がいいんじゃないか(笑)、非常にストレートなものの考え方ですけれどもということで、ソロとして、TULIPとしてではなくソロとして出した曲があるんですね、1980年のヒット曲になりました。こんな曲です。
M9:Wake Up(ワンコーラスのみ)
柳沢さんのギターから入るアコースティックバージョンです。
できれば、もうちょっと長く2番ありまで聞きたいところですが・・・。
財津:ありがとうございす。さぁ、今度はですね、今度こそは皆さん、一緒に歌えるかもしれません。皆さんもカラオケで一度、二度歌ったことがあるかもしれませんね。まぁ、なぜなら、これはTULIPの曲でもなく。私の曲でもございません(笑)。他人様に提供した曲でございまして、他人のふんどしで相撲を取っているようなそんあ感じでございます。松田聖子さん、彼女の初期の頃の曲を提供させて頂きました。彼女が17か、18か19か20か(笑)そのあたりだったと思いますけど、モロアイドルの曲なんですね。ですから軽い、女っぽい歌詞がのっている。これは松本隆というちょっと女々しい作詞家が作ったんですけれども(笑)、女っぽい歌詞でございます。たとえば・・・(これから歌う歌詞を朗読)、私がこれを歌うわけですからかな気持ちが悪いと思います(笑)。ですから一緒に皆さん歌って、一緒に歌うことで気持ち悪さをしのいでいただけたら(笑)、ご協力の程、よろしくお願いしたいと思います。さぁ、のっていきましょう!こんな曲を2曲です。
M10:松田聖子メドレー チェリーブラッサム~夏の扉
財津さんは「気持ち悪い」とおっしゃっていますが、私的には財津さんの歌う松田聖子楽曲、かなり好きです。
女性的な歌詞ですが、財津さんのソフトボイスならば違和感なく聞けます。
財津:どうもありがとうございした。ご協力ありがとうございます。これを歌うとね、女性ホルモンが体に充満してきましてね(声を変えて)声が変わってくるんですよね(笑)。さぁ、いよいよ先ほどお話ししました、私が生きていけるようになった曲でございます(拍手)。
M11:心の旅
Aメロからスタートのバーション(ソロの時はこのバージョン多いです)。
会場も一緒に歌います。
メンバーが袖に消え、財津さんはキーボードへ移動します。
M12:I dream
何度聞いても、この曲はGOOD!
ア・カペラのバージョンも良いですが、弾き語りが一番ジーンときます。
M13:ぼくがつくった愛のうた
ソロコンサートでは、弾き語りが定番になりつつあるこの曲。
八千代や府中でやっていたような途中のおちゃらけはありませんでした。
感動的な歌なので、途中で笑いがなくてホント良かったと思います。
メンバーが再び登場、財津さんは中央に戻ります。
財津:さて、冒頭に私が青春時代に戻りましょうということを申し上げましたけれどもね。青春時代という言葉はそれこそ青春時代のその中にいると、この言葉を使うこと自体が照れくさい、変な言葉、余計な言葉のような感じです。でも、こうやって松井の背番号にもなりますとね、ああ、あの頃のことを青春時代と言って良いんだな、そう言う風に思えてくるわけです。歌にありましたね・・・青春時代の~真ん中で~、ちょっと歌詞忘れましたけど、あとからしみじみ思うもの~その通りだなぁと思います(笑)。1960年代、そのころはいわば私の青春時代だったと言えます。学生そして東京へ、こういうギターで歌いたくてね、東京へ行きたい!エネルギーが有り余っていました。そうです、青春時代とはエネルギーが有り余っているんですよ。最近はなくなりました(笑)。もう余計なものには使わないようにしましたす(笑)。もうステージだけに使うようにしていますす(拍手)。ですからね、これは積極的な話ではないけれども消極的な話になってしまうのかもしれないけど、つまり、ステージだけやって生きていければいいんだ、と自然と思えちゃうんですね。自分が何をやっていけばいいのか、自ずとわかってしまうんですね。まぁ積極的な意見でございますけれども・・・。そんなこんなで、今日は皆さんに私のですか青春時代を思い出す、そんな気分に浸りたいと言うことで、歌ってみたいと思います。
M14:恋人への手紙
今回のツアーでは珍しくTULIPのアルバムからのセレクト。
MCのように1960年代を彷彿させるようなナンバーです。
M15:「ストーヴ」
「ONE WORD」からのセレクト。
この曲もソロの定番ソングになりつつありますね。
ストーブの明かりのような暖かいオレンジの照明が曲とマッチしています。
M16:サボテンの花
言わずとしれた有名曲。
思うところありまして、この曲にはジーンとしてしまいます。
「ストーヴ」と冬つながりの流れ?
財津さんがキーボードへ移動します。
M17:青春の影
財津さんのコンサートでは欠かせないこの曲。
聞かせてくれます。
再び中央に戻ってきます。
M18:この世の端でも
「PRIVATE MOON」からのセレクト。
この曲もソロ後半の定番ソングとして定着しつつあります。
財津:はい、え~、どうもありがとうございます(拍手)。1972年にデビューして3年か4年、このバンドがもてばいいやと思っていました。ところがどっこい、こうやって皆さんの前で今日も歌を歌うことが出来るって言うのはホントに夢にも思っていなかった事です。ホントに幸せな人生を送っているなぁ、とつくづく思いますし、また、皆さんがいてこその私ですから、感謝しなければいけないと思っています。さぁ、私のゴールはそう言ったわけで、何処に行ったらゴールなのか最近はもう全くわからなくなって参りました。自然にステージを降りようと思ったときがゴールだというわけなんでしょうけどね。このまま歌を歌い続けることができたら、ホントにそれは幸せなことだと思っています(拍手)。まぁ、コンサートも終わりに近づいてきましたが、次に聞いて頂きます歌は男と女のゴールです。
M19:GOAL
「PRIVATE MOON」からのセレクト。
どこかのMCでは「ソロの後半のシメの曲として歌っていきたい」と言っていた曲です。
M20:12才
「I must be crazy」からのセレクト。
私が初めて財津さんのコンサートに行って(1990年のリリア)、1曲目がこの曲でした。
この曲を聴くとあの頃の自分がそこにいるような感じがして、胸の奥がキュンとなります。
八千代でこの曲を聞いたときは、あまりの嬉しさに涙がちょちょ切れてしまったことは秘密です(笑)。
空の青さをイメージした照明も曲を引き立てます。
M21:ミス・ベスト・ワン
「『もうひとつ』の愛」からのセレクト。
府中では歌詞を間違えたこの曲、松戸ではちゃんと受話器を置きました(笑)。
1992年の渋谷公会堂でこの曲を聴いたなぁ、あのとき初めてステージの財津さんに花束渡したんだよな(あの頃は花束を渡しても良い(?)時代でした)、なんて完全懐かしモードに入ってしまいます。
財津さん、この選曲は卑怯でっせ(笑)。
歓声&拍手の中、メンバー・財津さんが一時退場
そして、再び登場。財津さんはキーボードに移動します。
M22:さわぐ心
シングル「ふたりなら」ならのセレクト。
もともとこの曲はABCの開局記念のために書き下ろされたもの。
この曲と「ふたりなら」はコンサートで聞けるなんて夢にも思っておりませんでした。
M23:夢中さ君に
ほぼ8割がスタンドアップ。「財津さん」コールも大きな声でした。
近年、ソロでは「ぼくがつくった愛のうた」の弾き語りでしっとりと終わっていたのですが、やっぱりライブは盛り上がって終わる方が良いです。
この曲が最後なのは◎。
近年には珍しく、ソロ楽曲が中心の「ヒストリー・オブ・財津和夫」的選曲で、個人的にはリアルタイムで聞いてきた曲が多く、私の財津ファンとしての歴史をたどっていくような感じでした。
あの頃の自分のまぶしさも感じつつ、忘れていた何かを思い出させてくれるようなコンサート。
相変わらず財津さんの「穏やかさ」も健在で、心も体も暖かくなることができました。
是非、一度会場に足を運んで頂きたい!(言い切り)
SACHIKO一押し!のコンサートです。

これで松戸のツアーレポートを終了します。